あの日どうやって家まで帰り着いたのか、今となっては良く覚えていない。 けれどぼくは、今日までこうして生きていて、今日もここに座ってこの文章を書いている。
その場所は海沿いの道を一本入った「海岸通り」にある。 またふらりと訪れてみたい気もするが、まだしばらくは一人でいたい気もしている。 ぼくは一人だ。 けれど、独りじゃない。 あの場所は確かに存在していて、今もぼくを待っていてくれているのだから。