Garden #3 君と庭を作りたい 元気ですか? そこは楽しいですか? 君をむかえに行きたいけど、 今のぼくが行けば君のこころ またこわしてしまうから、行ってはいけないのです。 行きたくても、ぼくには そこがどこにあるのかすら、わからないのだけれど。 ねえ、君の庭はどこにあるの? 君と暮らすために手にいれた この家のこの屋上は、君の庭にはなれないの? 昨日あのはちうえに あたらしい芽が出て、 うまく言えないけど、ぼくは、 君をあきらめるのを やめたんだ。 ねえ、この世に本当に永遠のものがないのなら、 ひとはなぜ永遠の愛を誓うの? ぼくは どうすればよかったのかな? 君を包む強い男には、結局なれなかったよね。 ぼくは本当に、君だけが側にいてくれたら、それだけでよかったんだよ。 ぼくは君と庭をつくりたい、 君と一緒に、ここで君の庭を作りたいんだ。 この場所はもしかしたら、もう君の庭にはなれないのかもしれないけれど、 何もしないままでは変わらないから、ぼくは、一人でもはじめようと思う。 君と庭を作れないから、ぼくが君の庭を作ることにしたんだ。 今のぼくには、もうこれしか残されていないから。 いちばん見晴らしのいい場所にカフェのある、 あこがれのおばあちゃんの庭のような、君の庭を作ろう。 君が名前をつけに帰ってくる場所は、ここだけだから。 きっと、ここだけだから。そう、信じて。 きみがよくなる頃には、ぼくも答えみつけて、君を包める強い男になるよ。 そうしたらきっと、君をむかえに行けるよね? ぼくは待ってるから。 ぼくらがなくした あたらしい芽も、 ぼくらをこわした悲しみも、 みんなみんな包めるくらい、強くなって ここで待ってるから。 |
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